上記写真は平成16年に撮影された横瀬浦村本郷ウグメ(西海市西海町)の空中写真です。「国土画像情報(カラー空中写真)国土交通省」より引用。本当は現地の写真とともにご紹介できれば良かったのですがコロナで出不精となったためご了承くださいませ、お陰様でデブ症のほうは解消してきました(笑)さて横瀬浦といえば、南蛮船渡来の地として大村藩が整備したこともあり歴史の教科書にもでてきます。その横瀬浦村の北端が寄船鼻(西彼杵半島最北端)ですがその寄船港と横瀬港のちょうど中間ほどにあるのがウグメ波止場です。
そのウグメ波止場ですが西海町郷土誌によると石原岳砲台と面高砲台の資材陸揚場として波止場が整備され、夏場は帝国海軍佐世保海兵団の新兵水泳訓練場として使用されたようです。石造りの突堤はなかなか趣がありそうでぜひ私も現地に行ってみたい場所です。もうここで水練なさった方でご存命の方も少ないと思いますが現地に行って当時の様子などイメージできればなんて思います。
さてこのウグメですが小字として上ウグメ、下ウグメとして存在した地名です。残念ながらウグメ自体は伊能大図にも測量日記にもでてきませんが気になるカタカナ地名です。そのウグメですが何だろうと調べていましたらどうも海上の幽霊(舟幽霊)のことを長崎ではウグメと呼ぶらしいのです。日本各地に呼び方は変わるものの舟幽霊は存在していました。偶然かもしれませんがその呼び名が西九州ではウグメであるとは非常に興味深い話です。ちなみに産女(うぶめ)が転訛してウグメになった可能性もあるかもしれません。その場合は、腕のいい産女に因んだことも考えられますが、妊婦の妖怪を姑獲鳥(うぶめ)ともいいますのでこれまた妖怪関連の地名の可能性もあります。
波止場自体は砲台のために整備されたウグメですが海に面した場所であることを考えると舟幽霊に因んだ地名の可能性が充分ありそうです。この地の漁民が海難にあった際にウグメが原因だったとの伝承があってもおかしくありません。長崎にも妖怪系の地名があったかもしれないと思うと地名は面白いなぁ~と胸が膨らみます。
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