場所的には日見峠と御手水の中間地点より南側の山です。この民話が最後には恋仲の怨念が人間の顔をした黒牛になって山に現れるという微妙な話の展開のためか、私の買った民話の本の最初の話だったためか、今でも覚えていた話でしたが、その山が本当にあるとは思いませんでした。
長崎街道からちょっと脇に外れているため、伊能大図や測量日記には出てきませんが、それでも民話に出るほどですので存在感はあります。ちなみに民話では吼牛山(もうしやま)の当て字がされています。長崎名勝図絵ではこちらの字で紹介されているため、この長崎名勝図絵から出た地名であり民話と言えそうです。
近くには長崎街道(日見新道)が通っています。私も歩きましたが静かでとても風情がある道で散策にはお薦めです。
上記写真は2010年に撮影された上長崎村本河内郷 猛獅山附近(長崎市本河内町附近)の空中写真です。「国土画像情報(カラー空中写真)国土交通省」より引用、日見峠と御手水の中間点の南側に猛獅山があるのが分かります。昔から無人地帯と思われます。
さて猛獅山の地名の由来ですが、担当直入に民話に因んでと言いたいですが、意外と地名に因んで民話が作られた可能性があります。そう考えると猛(もう)は、漢字の通り猛々しいの他、山野などに使われる場合があり、そう考えるとこの日見峠近くのこの猛獅山には、野牛がいたことから名付けられた地名かもしれません。民話の話にも長者の牧場の牛を使用人が見失う話ですので牧場が近くにあったかどうかは分かりませんが牛に因んだ地名であることに違いないでしょう。
今日は長崎の民話に出てくる猛獅山のお話でした。
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