
そんな運転手の勘違いから生まれたという都市伝説ができそうな地名が白髪です。私がこの地名を知ったのは今は無くなりましたが、長崎バスの白髪行きがあったからです。昔の時刻表で確認しましたがやはり20時発に団地内経由の白髪行きがありました。母などは「ぞっとする」と言って白髪行きを嫌っていましたね。
そんな私も今は少しどころか白髪だらけの人間になり、白髪行きのバスもなくなり時代の流れというものを感じます。それにしても滑石線のバスが走っていたのでつい長崎市内と思っていましたが昔は行政上三重村の領域だったのには少々驚きましたが、よく考えれば滑石峠を越えるのですから市町村の境があるのは当然です。
当たり前に便利なトンネルを通っているととつい峠があることなども忘れてしまいます、滑石トンネルの開通は昭和44年ですので旧道を通っていた方も少なくなったいることでしょう。今も旧道は残っており草藪になっていながらも滑石峠越えは可能なようですが、蜂嫌いで去年スズメバチに刺された私などはとてもこういう場所へ行く勇気は持ち合わせておりません。

こちらは昭和31年発行の地形図「今昔マップ on the web」より、ちなみに地形図に白髪が登場するのが昭和31年の発行のものからでそれより以前のものに白髪の記載はありません。まだ滑石トンネル開通前ですので滑石峠の旧道が載っています。また白髪の地名ですが小さな字名ですし内陸の地名のため伊能大図や測量日記にも記載のない地名です。
明治の地名図を見ると家屋らしいものは見られるので無人の地区ではないようです。
さて白髪の地名の由来について考えてみたいと思います。はじめは白髭の誤記載かもと思いましたが近くに白髭神社があった記録はありませんのでもちろん違います。白髪の白ですが城跡はありませんので恐らくは明るいまたは白いものからきたものかもしれません、古代朝鮮に新羅(しらぎ・しんら)が白になった可能性もゼロではありませんが、わざわざこんな山奥に渡来人が住んだとも考えずらくこの線もないように思えます、さてあとは白髪の髪部分ですが可能性がありそうなものとして、崖や桑などの転訛が考えられそうです。たとえば白い鹿がいたので白鹿の可能性もありそうですが、白鹿だったらわざわざ白髪に当て字にする必要もないので、白い崖や白っぽい桑の木が地名の由来になった可能性はあるかもしれません。
桑といえば、小学校の4年生の時に蚕さんを飼ったことがあり、よく桑の葉を与えていたことを思い出します。よくもまぁというほど、桑の葉を食べ続けていましたがある日、白い蛾になって外に逃がしたことを思い出しましたが、意外と白い蛾が多いことが地名の由来になった可能性もゼロではないでしょう、いずれにしても白髪の由来は残念ですがはっきりとは分かりません。
付記、郷村記(滑石村)には旧畝刈村との境に「しらかの辻」の表記があり、恐らくこの「しらか」の当て字で白髪となったようです。
白賀となの当て字だったら随分今と違ったイメージになったかもしれません。
今日は滑石トンネルを越えた場所にある気になる地名、白髪のおはなしでした。それにしても最近地震が多いです。さっきはとても長かったです。思わず外に飛び出しました(汗)
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