上の写真がその烏岩です。もちろんこの岩がドラマのロケに使われたわけではありません。神社下にある長崎港の見える見晴らしのいい公園がロケ地のようです。恐らく烏岩神社創建以前はこの烏岩が自体がご神体として信仰の対象になっていたのではと思います。ちなみにどうみても私には烏には見えません。今は木々や柵に覆われ見ずらい状態ですが以前は江戸期はきっと海岸側からでもすぐに目立つような岩だったように思えます。
こちらが烏岩の下にある烏岩神社、享保3年(1718年)に建てられたようです。周りの景色を含めとてもいい神社でお散歩にもおすすめです。
ただ地元でもなかなか知人でもない限り、足を運ばない場所ですので私はここから見る長崎港の風景も新鮮な印象を受けました。
ちなみにこの烏岩神社の祭神は保食大神のようです。保食大神といえば、私などすぐに最果て稚内市抜海村にある保食神社を思い出します。
写真は抜海村の保食神社、同じ赤い鳥居です。海は見える点は同じです。
こちらの地図は1802年の肥前長崎図の復刻盤ポスター(長崎文献社)より引用。この絵図の頃はすでに神社があったはずですがカラス岩のみ記載されています。昔は祠程度だったのかもしれません。
烏岩の地名ですが、もちろん一番上の写真の烏岩と呼ばれる大岩が地名の由来になっています。住所的には現在は長崎市大鳥町、以前の小字地名では平戸小屋郷下藪崎になります。伊能大図や伊能の測量日記、長崎名勝図絵にも記載がないことをみても現在よりも知名度的には低かったようです。岩自体はどうみても烏には見えませんので、恐らくは山岳信仰やそれにつながる修験道の修業の場として利用されていたのではないでしょうか、烏と言えば八咫烏を思い出しますが導きの神であり修験道の盛んだった熊野の祭神のお仕えのようですので平戸小屋郷の烏岩もそんな修験道と何か繋がりがあったような気がします。
上記写真は2010年に撮影された浦上淵村平戸小屋郷 烏岩(長崎市大鳥町)附近の空中写真です。「国土画像情報(カラー空中写真)国土交通省」より引用。景色もいいロケ地ですので散歩にはお薦めです。長崎バスの1日乗車券の範囲内で旭町桟橋バス停より徒歩10分ほどかかります。
蛇足ですが烏岩といえば、姫新線沿線の三木露風の「赤とんぼ」や、映画「男はつらいよ」のロケ地で知られる竜野市の新宮にもあるようです。姫路から姫新線で一番多い行き先が播磨新宮ですのでその最寄りでしょうが個人的にも行ってみたい城下町です。ちなみにあちらの烏岩からは大鳥山が見えるようです。
今日は平戸小屋にある烏岩のおはなしでした。
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