写真にはさいかい交通の瀬戸営業所が写っていますが、画像にアダン文字の右方向の麓附近が小字地名のアダンになります。流石に観光地ではないのでアダンだけを狙った写真など私の画像ストックにももちろんありません(笑)
北海道や樺太のアイヌ語地名が好きですのでカタカナ地名を見つけるとつい反応しがちですが、アダンとはなかなかレベルの高い響きです。ちなみに阿南(あなん)だと徳島や長野に地名があります。また昔の南イエメンの首都はアラビア語でアダンです。
小字地名ですし、特に大瀬戸は小字地名が多いので伊能大図や測量日記にも記載がない地名です。早速ですがアダンの地名の由来について考えたいと思います。アダンですが恐らく熱帯性の植物(タコノキ科)のアダン(阿壇)からきた地名だと思われます。見た目はパイナップルに似た樹のようでトカラ列島以南に自生する樹木ですが、何らかの理由で自生していたことからこの小字地名になったと考えられます。
可能性はゼロに近いですが亜炭(純度低い石炭)がアダンになった可能性もあるかもしれません。話は脱線し可能性ゼロですが旧約聖書創世記のアダムに因んだ地名として町おこしに使えば、あるいは青森県のキリストの墓のように物好きが立ち寄るC級観光地になれる余地はあるかもしれません。アダムとイブが食べた善悪の樹が実は大瀬戸にあったなんていったら私のような物好きの一部は喜ぶことでしょう(汗)
上記写真は2010年に撮影された瀬戸村板浦郷 アダン(西海市大瀬戸町板浦郷)周辺の空中写真です。「国土画像情報(カラー空中写真)国土交通省」より引用。アダンの上には上アダンの小字地名がありました。
今回アダンを取り上げたのは、カタカナ地名であることもありますが最近、芳賀日出男さんの本を読んだからです。民俗学で有名な宮本常一先生とともに日本の民俗研究家や写真家として現在も活躍されておられるようですが、思わず本の写真を見て買ってしまうほど引き込まれました。その本にも奄美のアダンのモノクロ写真が載っていたからでもあります。
今日は大瀬戸の恐らく植物系地名のアダンについてのおはなしでした。
この記事へのコメント
ヒロ
サルル
書き込みありがとうございます。懐かしんでいただきお役になって嬉しいです。今後も大瀬戸を含め紹介したいと思います。