
写真は長崎バスの終点、琴の尾登り口です。右側に山道が見えますがそこが扇塚峠への道で峠の上部が小字地名の扇塚になります。近くにはバス停名からも分かる通り琴の尾岳がありますが歩くと時間はかかりそうです。何と言っても周辺はのんびりした山村の風景があります。

別の日に撮った、琴の尾登り口の風景、さて早速ですが扇塚の地名について考えたいと思います。伊能大図や測量日記には記載がない地名ですが大村郷村記には伊木力村より時津村までの毘沙門越の道筋に琴の尾岳横道より扇塚の松までの距離が記され、左右の風景は野山に畠と今と殆ど変わらないような風景の記載もあります。
当時は峠に目印になるような松が植えられていた可能性もありそうです。郷村記になる毘沙門越(扇塚峠)ですが、この本川内郷から峠を越えると反対側の岡郷内に毘沙門天社があることに因んでいます。扇塚の地名の由来ですが扇は単なる美称の可能性もありますが大きい木があって大木の当て字として扇になった可能性はあるかもしれません。塚は墓と言った意味の他にも高くなった場所や丘、石碑なども指しますので、扇塚の場合は大きい木のそばにあった墓や石碑や大きい木のある岡などの可能性はありますがはっきりした由来を特定するのは難しそうです。

こちらは明治34年陸測図「長崎」(今昔マップ on the webより)、左端に扇塚峠が見えます。
今日は長与にある峠、扇塚のおはなしでした。
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