オラビ瀬(黒崎村赤首郷 オラビ瀬)塩谷河内沖の瀬

オラビ瀬を知ったのは地形図を眺めていた時、アイヌ語地名が好きなのでカタカタ地名にはつい反応します。今日は外海にあるオラビ瀬についてのおはなしです。

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写真の白い家と池島の間に見える瀬(岩礁)がオラビ瀬になります。オラビ瀬を目的にする物好きはたぶんいないでしょうが、長崎市内からですとバスで乗り換えもあり、1時間半ほどかかります。世界遺産大野教会と出津教会の中間ほどにある塩屋河内(バス停名は四谷河内)が最寄りになります。このオラビ瀬付近は、天気が良ければ外海の角力灘らしい景観が楽しめます。

早速ですがオラビ瀬の地名について考えたいと思います。オラビ瀬ですが意外といっては何ですが伊能大図にも小さく記載があります。伊能大図にも記載がありますので当然測量日記にも記載がありますし、大村郷村記にも記載があります。もちろん現在の地形図にも記載がある地名です。

オラビ瀬の由来について考えたいと思います。瀬はもちろん岩礁のことです、さてオラビですが、私など使ったこともありませんし、聞いたことも正直ありませんが叫ぶことを古語で叫ぶ(おらぶ)というようです。西日本では地方によって使われていたようです。恐らく、び、び、ぶ、ぶる、ぶれ、べよではありませんが、叫ぶ(おらぶ)がおらびに転訛してオラビ瀬になったと考えられます。

船は通常なるべく沿岸を航行するものですが、この赤首付近は特に岩礁が多く航行上の難所と考えられますので記録にこそ見当たりませんが、難破などがあり、そういったことが危険を知らせる警告の意味を含めオラビになったのかもしれません、何か叫ぶような悲劇を感じさせる地名でもあります。

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上記写真は2010年に撮影された黒崎村赤首郷 オラビ瀬(長崎市赤首町)周辺の空中写真です。「国土画像情報(カラー空中写真)国土交通省」より引用。画像では見えずらいですがオラビ瀬文字左にオビラ瀬が写っています。近くには赤首や瀬戸方面に歩けば世界遺産の大野教会があります。

今日は外海のオラビ瀬のおはなしでした。

この記事へのコメント

  • ちび太郎

    今回の「白い家」が映り込む風景、私の好きな場所の一つです。
    オーシャンビューの暮らし、ちょっと憧れますね。
    さて、「おらび」=「おらぶ(叫ぶ)」、納得の解説ありがとうございます。
    今月、池島に渡ってみました。炭鉱施設の崩壊が著しい状況になっていました。そのうちブログにアップしようと思いますが、連日ウクライナ関連の悲惨な映像を見るとパソコンに向かう気持ちが萎えてしまいます。
    2022年04月21日 10:10
  • サルル

    ちび太郎さん

    こんにちは、あの白い家いいですよね。別荘に欲しいというか1回ぐらいあんな場所に泊ってみたくなります。

    池島ですか。。羨ましいです。
    本当は計画だけですがたてています。
    ウクライナは今後の拡大を含めどう転ぶか全く分かりませんが明日は我が身と思ってなるべく向かい合うようにしています。
    とはいえ、気分転換もコロナ渦ですが大事ですね。
    2022年04月21日 19:26