柿樹太郎(下長崎村小島郷 柿樹太郎)上小島にあった珍地名

柿樹太郎(かきのきたろう・かきたろう)、何とも素晴らしい響きの地名です♪今日は上小島にあった柿樹太郎についてのおはなしです。

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写真は愛宕町の高台から見た柿樹太郎周辺、左の中側に鶴鳴高校(長崎女子高)が見えますがその周辺の上小島付近にあった地名です。ちなみにこちらの小島郷にあった柿樹太郎は残念ながら長崎県の小字地名総覧に掲載はな地名としてもすでに失われた模様ですが、お隣の高野平郷の愛宕町付近には小字地名として柿樹太郎が残されています。

近くに(離れた状態)同じしかも珍しい地名があるというのは珍しいかもしれません。ちなみに読みは「かきのきたろう」「かきたろう」両方の呼び名があった可能性があります。どちらが正しいとも言えません。

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同じく愛宕方面から見た柿樹太郎、上小島周辺を走る長崎バスや、遠くには長崎港やジャイアントカンチレバークレーンが見えます。

上小島、実は元気だった父が急に他界する1月ほど前に、たまたま私が地名好きですのでどこで生まれ育ったかを聞いた時に上小島であったことを知りました。てっきり高平と思ったいたので意外でしたがそれだけでも聞き出すことができて良かったと思っています。たぶん父のことですから柿樹太郎を知らなかったとは思いますが聞き出すことができなかったことはちょっと残念でもあります。

柿樹太郎の地名について考えたいと思います。伊能大図や測量日記に掲載はありませんが、長崎古今集覧や長崎名勝図絵には記載があります。長崎古今集欄には場所まで詳しく掲載され、雷公丘(かみなりおか)の側にあることや周辺に畠や川があること旻徳坂の下にあることなどが分かります。

また長崎名勝図絵、古今集覧両方に地名の由来として雨の日に妖しい火が見えるためと何とも不思議なことが書いてあります。柿樹太郎の由来ですが流石に雨の日に妖しい火がみえることがこの地名に繋がるとは到底思えません。創作の匂いの方が強い気がします。太郎に関しては恐らく親しみを込めて矢太郎や八郎岳のように語尾に使われたと考えられます。柿ですが美味しい柿の可能性もありますが、意外と崖がガケ→カケ→カキにった可能性や陰がカゲ→カケ→カキと転訛して柿の当て字がされた可能性があるように思えます。

実際、どちらかいえば蔭になる時間が多い傾斜地ですので充分あり得そうな気がしております。

今日は上小島にある柿樹太郎についてのおはなしでした。



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