アボ(崎戸村蠣浦郷 アボ)崎戸にもあるアボ地名

今日は長崎の海岸線の崖にたまに見られるアボから蛎浦島のアボについてのおはなしです。

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写真のさいかい交通バスのちょうど上あたりに聳える小山が標高123.6メートルの阿房岳になります。国土地理院の地形図では標高のみで東山標記の地名となっていますが小字地名はアボです。

アボの地名について考えたいと思います。伊能大図には記載はありませんが測量日記には海岸べりの地名として大阿穂が記されています。また(大村)郷村記加喜浦村では大あぼと記載の地名であることから少なくとも江戸期は大アボと呼ばれていたのは間違いないようです。
由来ですがアボは海岸沿いの崖ですので恐らく阿房岳浦の海岸線が大きな崖(断崖)になっているのが由来と考えられます。

一応グーグルアースプロで確認した処、緑には覆われているので岩肌が露出していることはありませんが他に比べ非常に急傾斜地になっていましたのでその姿から大アボと呼ばれたことが推測できます。

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こちらは昭和23年発行の陸測図より蛎浦島アボ周辺の地形図、蛎浦島の東海岸は平地が少ないためか江戸期から集落はなく、特にこのアボ周辺は急傾斜なので人が住める場所ではなかったことでしょう。東海岸部の中央付近にある標高124.4(現123.6)の場所が現在の阿房岳で周辺の小字地名がアボ(現 東山)、海岸線は江戸期大アボと呼ばれていました。

今日は蛎浦島にあるアボのおはなしでした。

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