井上(脇岬村 井上)読みは「いがみ」

今日は野母脇岬にある小字地名のお話です。

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井上付近から見た脇岬(右)と樺島(左)方向、この辺りちょうど岬地区と植物園のあった黒瀬の中間ほどにあります。長崎バス岬木場線の沿線ですが残念ながら24年春に廃止されます。それにしても最初は井上(いのうえ)と思っていました。せめて伊能忠敬の測量日記のように伊賀見や井神の当て字がされたほうが良かった気がする当て字の地名の思えます。
海沿いではありますが標高が高く非常に海岸線は険しい地形のため、恐らくはこちらも漁業ではなく木場地区同様に焼畑地域だった可能性が高そうです。

脇岬の小字地名である井上の地名について考えたいと思います。
小字地名のため伊能大図に記載はありませんが、伊能忠敬測量日記では伊賀見として記載されています。また長崎名勝図絵や長崎古今集覧には記載がない地名です。

地名の由来ですが、もちろん遠国の伊賀の国は見えませんし、そもそも熊野と違って内陸部の伊賀の国から関連性がある可能性は非常に低いと考えられます。井は水や水をくむ処を意味します。地形的に考えても非常に険しい標高も高いため水は生活するためにも必須ですので恐らく井は水に関連したものと推定されます。上はまさに字のごとく標高の高いことを意味し、標高の高い場所にある水場の意味で井上となったと思えます。今でも地形図状から集落に小さい沢が流れていることが確認できます。

今日は脇岬にある井上のおはなしでした。

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