斧櫃(長浦村大平郷 斧櫃)長崎市最北部の難読地名

今日は長浦の大平にある小字地名のおはなしです。

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写真は小字地名斧櫃(よきのふつ)周辺、奥が小島ノ浦方向になります。長崎市でも最北部に位置し西彼町との境界近くで大村湾に面した海辺にある小字地名、昔から気にはなっていましたが何とも難解な地名です。

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ちなみにこちらは長崎バス風早(亀浦)線のよきのひつバス停跡、残念ながら24年9月廃止されバス停も撤去済みです。ちなみに写真の道路より右側は埋立で面影はありませんが郷村記記載の馬垣ノ浦があった場所です。ずべてがひらがなの不思議なバス停でしたが漢字でも恐らく難読地名だったことに間違いありません。正式には「よきのふつ」ですが当て字が櫃ですのでバス停読みは「よきのひつ」になったと考えられます。

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24年の長崎バスグループ祭で販売された「よきのひつ」バス停、変わった地名で人気があったのかバス停だけでなく、「よきのひつ」バス停キーホルダーも早々に売り切れました。

長浦大平にある小字地名斧櫃の地名について考えたいと思います。
小字地名ですので伊能大図や測量日記に記載のない地名です、また郷村記形上村にも残念ながら記載のない地名です。
地名の由来ですが、斧(よき)ですが横切るといった意味の略語の可能性も多少ありますが、ここでは小さい斧である「よき」の地形からきた可能性がありそうです。長崎バスの旧よきのひつバス停の向かい側は昔、馬垣ノ浦(埋立でほぼ消滅)があり、小字地名斧櫃の東隣の小字地名斧櫃頭の境には小さな沢が流れ馬垣ノ浦側からみればちょっとした小岬が斧(よき)の形に見えたことから斧(よき)になった可能性が高いように思えます。「の」は助詞、櫃(ふつ)ですが南高に布津なんて地名もありますが、恐らく「ふち」(渕)が転訛して「ふつ」になったと考えられます。恐らくは斧(よき)に似た小岬付近にある渕(深み、川べり)が地名の由来になったと考えられます。

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上記写真は1975年に撮影された長浦村大平郷 斧櫃(長崎市琴海大平町)周辺の空中写真です。「国土画像情報(カラー空中写真)国土交通省」より引用。写真の小島ノ浦の南北が長崎市と西海市西彼町の境界になります。小字地名馬垣付近に昔は馬垣ノ浦がありそこからみた南側の小岬が斧(よき)に見えたように思えます。

今日は長浦(琴海)大平にある難読地名「斧櫃」のおはなしでした。

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